「花と嘘とマコト」「ちーちゃんはちょっと足りない」がノスタルジーを感じて面白い
夏も終盤にさしかかってきて、夕暮れが綺麗な時期になってきました
そんな雰囲気に合いそうな、ちょっと切なさも含めたマンガが面白いです
楽しんで生きていくことを忘れてしまいそうな大人に読んで欲しい
※ちょっとネタバレもあります
↓続き
「花と嘘とマコト」
Champion タップ!で連載中の「花と嘘とマコト」
6月、夏休みの少し前。ある日突然に彼女は死んだ————。
死んだはずの死体の「マコト」と「私」があのアパートで過ごした偽りの夏の日々。
少しずつ明らかになる、悲しくいびつな2人の関係とは…!?
「麻宮さんの妹」の俊英・あさのが描く、センチメンタルでノスタルジーなサマー・ガールズ・ショート。
(死体のマコト、と言ってもホラー系のゾンビものなどではないので怖くはないです)
作中では未だにどうやって生き返らせたか、何故生き返らせたのか?などの記載は全くなく
ただ、死んでしまった「マコト」を生き返らせ、一緒にひっそりと生活する「ハナ」との夏の生活が描写されています。
身の回りのことは全て世話をしないといけない状態
「喋れない」「記憶も曖昧」「食べ物も食べさせてもらう」「歯も磨かせる」
それでも、死んでしまった「マコト」を生き返らせたのはいったい何故なのか
なんで二人で生活し続けるのか
ノスタルジックな雰囲気がかもしだす絶妙な雰囲気
死んでしまった、理由は明かされてないなどみると
ミステリーのようなものかとも思ってしまいそうですが
その雰囲気がノスタルジックで面白い、センチメンタルと言ったほうがいいのか
そんな作品
夕暮れ、夜が切なくなってくる季節に、ちょっとしたアクセントが合う面白い
「ちーちゃんはちょっと足りない」
阿部共実さんの長編作品として一冊にまとめられたちーちゃんはちょっと足りない
阿部さんはChampionタップ!でも作品を載せられてます
死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々 | Champion タップ!
ちーちゃんはちょっと足りない (少年チャンピオン・コミックス・エクストラ もっと!)
- 作者: 阿部共実
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2014/05/08
- メディア: Kindle版
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表紙に描かれているのが主人公の「ちーちゃん」
中学2年生だけどどこか子供っぽくて
成績も良くはなくて
家もどちらかと言えば貧しい
そんなちーちゃんと、周りの友達とを描いてて最初はほんわかした日常系
しかし、「空が灰色だから」などで未成年の憤りなどをありありと描いていた阿部さんらしく
ある事件をキッカケに、思春期の不満や焦り、ドロドロした部分が一気に押し寄せてくる展開になり、ちょっぴり切なく、ノスタルジックな雰囲気となり面白かった
主人公はちーちゃんだけれども、本当の主役は周りの友達
真っ直ぐすぎる性格のせいで間違ってしまったり
満たされない思いが大きすぎて間違ってしまったり
それでもちーちゃんは毎日が楽しかったり
良い子にしていることが必ずしも満たされることではないんだなということが
描かれていて、なかなか心に重たいものが来るものだった、今までの阿部さんの作品の中で一番好きなマンガだった
「ちょっと足りなくたって、どうだって楽しんで生きていけるだろ」
欲しいものは手に入らない、満たされなくて、誰かに承認されたくて・・・
そんな思いが沢山出てくるこのマンガの中で刺さったセリフ
何もないとか言うなよな
私だって欲しいものが沢山あるけど手に入らない
みんなそうだ
私らももう少しすれば大人だ
欲しいものは自分の力で手に入れられるようになる
楽しみじゃねえか
ちょっと足りなくたって
どうだって楽しんで生きていけるだろ
しっかりしてる人だって何か満たされない気持ちはある
それを楽しまないでどうする?
楽しんで生きていくことを忘れてしまいそうな大人に読んで欲しい
そんなセリフが一番突き刺さりました、面白いマンガだった
切ない面白いマンガとして「ストレッチ」や「透明のココロ」もあるけど
この春大学生になったばかりのネガティブさんに読んで欲しい、ネガティブ大学生ショート「透明のココロ」が面白い
ノスタルジックなマンガもいいね好きです